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きせる きせる

戦国時代頃に伝わったとされ、たばこの葉をきざんだものを入れて火をつけて煙(けむり)をすうための道具です。たばこをつめる火皿(ひざら)のついた雁首(がんくび)と煙をすう吸口(すいくち)、その間をつなぐ管の部分の羅宇(らう)からなります。雁首や吸口は金属で作られるため、象嵌(ぞうがん)などがほどこされた装飾性の高いものもありました。きせるの長さや太さには流行があって、江戸時代には長さが1m以上あるものも登場しました。このようなきせるは実用というよりは、おしゃれとして持たれ、「伊達(だて)ぎせる」「花見ぎせる」と呼ばれていました。また、金属でできていたので、凶器にも早変わりしました。そのため、幕府からしばしばとりしまりの対象になりました。

江戸〜昭和中期
長さ21cm
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