デジタル収蔵庫 閉じる

蚕(かいこ) 蚕(かいこ)

明治中頃から重要な輸出品として日本全国で養蚕業がさかんになり、大変良い現金収入になったので、農家はこぞって飼育していましたが、現在では化学繊維におされて蚕を飼育している農家は日本全国でも大変少なくなりました。大口でも、年に三回、春、夏、秋、それぞれハルコ、ナツコ、アキコと呼んで飼育し、時期になると、家中を占領され、寝ている横でも桑の葉を食べる音が響いていました。蚕の世話は主に子供の仕事で、丸座(角座)洗い、桑の葉集め、掃除など、成長が早い分大変忙しく世話をしていました。やっと蚕がまゆになると子供の仕事は一段落し、絹糸をとるためにまゆが熱湯でゆでられると、その中にいたさなぎはおやつとしておなかの中におさまりました。写真はかいこのまゆです。右のまゆはけばだっていますが、この部分は真綿(まわた)といって引き延ばして綿のようにして使ったり、商品としてではなく家で使う衣類のために糸にしたりしました。

まゆ 3.5cm x 1.5cm
Copyright